損害保険大手4社が保険代理店への出向社員らから競合他社の契約者情報を不正に入手していた問題で、漏えいした顧客情報が合計で250万件超に上ることが30日、分かった。うち出向社員が関与していた事案は法人契約を含めて約24万件。同日、4社が金融庁に報告書を提出した。同庁は情報漏えいの事実関係や再発防止策などを詳しく調査する方針で、行政処分も辞さない構えだ。
 報告書を提出したのは、損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の4社。金融庁が保険業法に基づく報告徴求命令を出していた。
 報告書によると、出向社員による漏えいは30日時点で、損保ジャパンが約12万6000件、東京海上日動が約10万件、三井住友海上が128件、あいおいニッセイ同和損保が1万2339件だった。競合他社の契約者の氏名や住所、保険期間といった情報を出向元に流していた。損保各社はそれぞれの契約シェアなどを把握し、営業活動などに使用していたという。 
〔写真説明〕(写真左から)東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の看板

(ニュース提供元:時事通信社)