台風10号の九州上陸を受け、各企業は29日、顧客や従業員の安全を守る対応を加速させた。トヨタ自動車は30日まで国内工場の稼働を停止。日本郵政グループは九州や四国など11県の郵便局で業務を休止する。コンビニエンスストアやスーパーなど多くの店舗が休業を余儀なくされ、物流の停滞も長期化が予想される。時事通信の記事をもとに、29日発表の各社の対応方針をまとめた。

企業名

台風10号対応方針

ケーズデンキ

九州の27店舗と静岡県の浜松入野店を休業。福岡県と佐賀県にある店舗は全て営業中

ビックカメラ

福岡市と熊本市、鹿児島市の計4店舗を時短営業や臨時休業。福岡市の2店舗は30日も臨時休業

大日本印刷

福岡県にある4つの工場の操業を停止する。商業印刷物などを生産する福岡工場(福岡市)とパッケージなどを生産する筑後工場(福岡県筑後市)は29日夜から30日昼まで、有機ELディスプレー用のメタルマスクを生産する黒崎工場(北九州市)とリチウムイオン電池用バッテリーパウチを生産する戸畑工場(同)は29日夜の間、操業を停止する。 

サントリーホールディングス

熊本県嘉島町のビール工場の操業を同日と30日は停止する

三菱電機

パワー半導体などを手掛ける熊本県合志市のパワーデバイス製作所(熊本)を29日午後、休業する。従業員には帰宅指示を出した。30日は安全が確保できる場合は出社可とするが、在宅勤務を推奨する。 

アサヒビール

博多工場(福岡市)を同日午後5時から停止すると明らかにした。30日も製造を止める。

ヤマト運輸

九州地域と高知県宛ての荷物の配達に遅れが出ている。九州の各県では、鹿児島県の一部の離島を除き、29日の終日、荷物の集配や配達、営業所の業務を中止。このほか、全国を発着する荷物の配達に遅れが生じることが予想されるとしている

ローム

岡山県笠岡市の製造子会社ローム・ワコーが同市内に置く工場の稼働を少なくとも30日夜から31日午後3時まで計画停止する。台風の進路予想を踏まえ、期間を判断する。 

セブン&アイ・ホールディングス

29日午前7時時点で鹿児島や宮崎、大分、熊本各県を中心に「セブン―イレブン」の約300店舗が一時的に休業。物流は一部で配達の遅れや未納が発生。鹿児島と宮崎両県への配送は見合わせている。イオンも九州にあるグループ店の一部で臨時休業している。

東海道新幹線

30日は、三島―名古屋間で終日運休

山陽新幹線

30日は、広島―博多間で終日運休

九州新幹線

博多―鹿児島中央間の全線で運転を取りやめ

日本航空・全日空

30日に九州や中国地方などを発着する計626便の欠航

キリンビール

福岡工場(福岡県朝倉市)で29日午後から製造調整を行う。醸造工程は止めないが、パッケージングは停止する。

シチズン時計

時計部品を生産する鹿児島工場(鹿児島県日置市)を29日終日休業する

トヨタ自動車

国内全14工場・28生産ラインの操業を30日まで停止。28日夕から29日まで一部を除き操業をストップしていたが、従業員の安全確保に加え、部品の輸送に影響が出ていることを踏まえ、週末まで全面停止する。

ホンダ・日産自動車・マツダ

九州や本州西部の工場を30日まで停止

日本郵政グループ

九州7県と四国3県、山口県の全郵便局で、30日の窓口業務と配達を休止する。九州4県で休止していたが、顧客らの安全を優先する。

 

(ニュース提供:時事通信:29日の掲載記事もとに作成)