台風10号の九州上陸を受け、各企業は29日、顧客や従業員の安全を守る対応を加速させた。トヨタ自動車は30日まで国内工場の稼働を停止。日本郵政グループは九州や四国など11県の郵便局で業務を休止する。コンビニエンスストアやスーパーなど多くの店舗が休業を余儀なくされ、物流の停滞も長期化が予想される。
 トヨタは国内全14工場・28生産ラインの操業を30日まで停止する。28日夕から29日まで一部を除き操業をストップしていたが、従業員の安全確保に加え、部品の輸送に影響が出ていることを踏まえ、週末まで全面停止する。
 自動車ではこのほか、ホンダや日産自動車、マツダなども九州や本州西部の工場を30日まで停止する。三菱電機やセイコーエプソンなどの機械メーカーや、ビール各社も九州を中心に工場の操業を取りやめた。
 日本郵政グループは九州7県と四国3県、山口県の全郵便局で、30日の窓口業務と配達を休止する。九州4県で休止していたが、顧客らの安全を優先する。ヤマト運輸や佐川急便も九州で荷物の配達や預かりを停止しており、配達の遅れは週末以降も続く可能性がある。
 携帯大手各社によると、基地局の停電などを受けて九州の一部で携帯電話がつながりにくい事態が生じた。
 コンビニでは、セブン―イレブン・ジャパンが九州や山口県などの約1100店舗を一時休業。ローソンやファミリーマートも九州南部を中心に大規模休業を強いられた。イオンは九州の一部グループ店で臨時休業。家電量販店のビックカメラやケーズデンキの一部店舗も営業を休止した。 
〔写真説明〕トヨタ自動車のロゴマーク(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)