東京都は4月30日、首都直下地震や気候変動の進行に伴う豪雨・渇水リスクの増大などに備え、東京水道施設整備マスタープランを策定した。東京都の水道施設は高度成長期の水道需要急増に対応するため、短期的、集中的に整備・拡張された。そのため現在の施設能力全体のおよそ7割が昭和30年代後半から40年代にかけて整備されたもので、老朽化が進んでいるという。東日本大震災時には、全国で約257万戸に及ぶ断水が発生し、避難所などの重要施設でも生活用水が不足した。 

マスタープランは都における「安定給水の確保」「震災対策等の推進」「安全でおいしい水の供給」の3つを主要施策とし、10年後の整備目標と目標を達成するための具体的な施策を定めた。

都の水道管のうち、断水被害を最小限にとどめるための耐震継手管への取替率は2012年度末時点で32%。首都直下地震等に備え、これを今後10年で57%に高める。特に首都中枢・救急医療機関や優先避難所への供給ルートにおける耐震継手率は100%に引き上げる。

また、避難所や主要な駅への供給ルートにおける給水管耐震化率は2012年度末ではわずか18%にとどまっていたが、これも2019年度に100%にする。