【ニューヨーク時事】国連は26日、地球温暖化に伴う海面上昇に関する新たな報告書を公表した。その中で、2050年には20年と比較して、大阪で27センチ、東京で13センチの海面上昇が予想されると明らかにした。
 国連の試算では、各国が現行の温室効果ガスの削減目標を実現させても、今世紀末までに世界の気温は産業革命前に比べ約3度上昇する。報告書はこうした状況を前提に、20カ国・地域(G20)の主要都市を対象に50年時点の海面上昇を推定した。中国・上海で24センチ、米ニューヨークで26センチ、米南部ニューオーリンズで41センチの上昇が見込まれるという。
 海面上昇は沿岸部の洪水や塩害、国土の消失など深刻な影響をもたらす。南太平洋の島国トンガを訪問中のグテレス国連事務総長は記者会見で「各国指導者は対策を強化しなくてはならない」と強調。化石燃料の段階的廃止を訴えた。トンガでは1990~2020年の間に海面が21センチ上昇。50年までに、さらに18センチ上昇すると予測されている。 
〔写真説明〕26日、南太平洋の島国トンガで住民と懇談する国連のグテレス事務総長(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)