2014/04/08
防災・危機管理ニュース
県内企業などにCDも無料配布
高知県はこのほど、県内でBCP(事業継続計画)に取り組む企業向けに机上型事業継続訓練マニュアルを作成した。BCM(事業継続マネジメント)を実施するにあたっては、避難訓練や安否確認訓練といった初動対応に力点を置いた訓練に加え、事業継続に焦点を当てた訓練が必要となるが、こうした訓練は、実施するためのマニュアルや解説書が少なく、全国的に見ても限られた事業所でしか実施されていない状況にあることから、事業継続訓練の中でも、有効性が高く、かつ比較的容易に実施できる机上型訓練について、訓練の準備から実施、そしてBCPへの反映まで、一連の流れを解説した。
マニュアルには、訓練で使用する資料の様式や訓練シナリオの文例を収録したCDも付属。県内に事業所があり、県内事業所内で訓練実施に活用することなどを条件に、希望企業には無料配布するとしている。
マニュアルは、「第一部:基礎編」「第二部:準備編」「第三部:実施編」「第四部:振返り編」の4部構成。「第一部:基礎編」では、県内事業者のBCP策定状況、東日本大震災でBCP訓練が功を奏した事例および一般的な訓練の手法について述べた上で、机上型訓練の概要を説明している。
「第二部:準備編」では、事業者が自主的に訓練を実施するために必要な準備事項を解説。具体的には、机上型訓練の企画方法や必要となる資料の作成および会場レイアウト・備品の準備など。
「第三部:実施編」では、訓練当日の運営手順や司会の注意事項などを説明。
「第四部:振返り編」では、訓練終了後得られた気付きを集計・分析し、抽出された課題を経営層に報告しBCPを改善していく方法を説明している。
高知県では、これまで「南海地震に備える企業のBCP策定のための手引き」を発行するなど、BCPを支援する様々な取り組みを行ってきた。その結果、平成25年8月に高知県が実施した調査では、従業員50名以上の事業者の策定率は21.9%と、2年前から9.8%増加している。
マニュアルの詳細は下記サイトにて公開している。
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/010201/bckunrenmanual.html
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方