【ワシントン時事】米大統領選で民主党の候補指名が確定したハリス副大統領は、気候変動問題への思い入れが深い。過去には、米石油大手を追及したり、積極的な気候変動対策を提唱したりしてきた。環境保護団体などが相次いで支持を表明しており、踏み込んだ政策を打ち出す可能性もある。
 「トランプ(前大統領)は、献金と引き換えに石油大手の言いなりになると言っている」。7月下旬、バイデン大統領から後継指名を受けたハリス氏が、陣営幹部との初会議でやり玉に挙げたのが、共和党候補のトランプ氏が掲げる石油など化石燃料の増産方針だ。
 ハリス氏は、西部カリフォルニア州の地方検事時代、環境汚染などの犯罪を扱う専門部署を全米で初めて設置。州司法長官としては、有害物質の取り扱いを巡り、石油大手シェブロンなどと対峙(たいじ)した。クリーンエネルギーへの投資や脱炭素を目指す「グリーン・ニューディール」の支持者としても知られる。
 環境団体にはハリス氏を支持する動きが広がる。気候変動問題を重視する議員や団体トップらは連名の書簡を公表し、「ハリス氏とともに気候変動と闘う」と表明。左派寄りの環境団体などで構成する「グリーン・ニューディール・ネットワーク」も支持を明らかにした。
 米調査会社ピュー・リサーチ・センターによると、30歳未満の6割近くが、外交政策の優先課題に気候変動を挙げており、若者を中心に環境問題への関心は高い。
 もっともハリス氏は具体的な政策に言及しておらず、未知数の部分も多い。今後、「ハリスカラー」を打ち出す中で、検証されていくことになりそうだ。 

(ニュース提供元:時事通信社)