【ニューヨーク時事】パレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏がイランで殺害されたことを受け、国連安全保障理事会は31日、緊急の公開会合を開いた。多くの理事国が緊張緩和を求めた一方、会合開催を要請したイランと、暗殺を実行したとみられるイスラエルの間で非難の応酬となった。
 イランのイラバニ国連大使は「イスラエルによる攻撃的なテロ行為の結果」によって、ハニヤ氏が死亡したと指摘。国際法違反だとして、安保理に対し、イスラエルへの制裁措置を含む対応を取るべきだと訴えた。
 これに対し、イスラエルの代表は「イランこそが世界最大のテロ支援国家だ」と反論。ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなど親イラン組織を利用し、イスラエルに攻撃を仕掛けていると主張した。ハニヤ氏殺害については言及しなかった。
 会合に先立ち、グテレス国連事務総長は報道官を通じた声明で「危険なエスカレーションだ」と暗殺を批判。地域の平和と安定に向けた緊急の行動を取るよう国際社会に要請した。 
〔写真説明〕国連本部=米ニューヨーク(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)