2024/07/05
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】イランで5日、大統領選の決選投票が行われた。国際協調を志向する改革派のペゼシュキアン元保健相(69)と、欧米との対立継続も辞さない保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)の争い。接戦が予想される中、最新の情勢調査では改革派の優勢が伝えられる。イランは中東の地域大国で、選挙結果は国際情勢に広く影響を及ぼす可能性がある。
開票結果は6日中に判明する見通し。今回の選挙は、5月にヘリコプター墜落事故で死亡したライシ大統領の後任を選ぶ。新大統領の任期は4年。
内務省によると、4人が出馬した先月28日の第1回投票でペゼシュキアン氏が首位となり、ジャリリ氏が約4ポイント差の得票率で続いた。2021年の前回大統領選では、保守強硬派のライシ師が6割を超える票を得て圧勝。今回は複数の強硬派候補に票が分散し、大統領選としては19年ぶりに決選投票が行われることになった。
第1回の投票率は約40%で、1979年の革命以降で最低を記録。棄権した人には革命体制に不満を持つ潜在的な改革派支持層が多いとされ、投票率の行方も勝敗を左右するカギとなる。
決選投票を前に行われた討論会で、ペゼシュキアン氏は「世界との関係を正常化する外交」を訴え、欧米などと結んだ核合意支持を明言。制裁が「深刻な損失を招いている」として、対話を通じ解除を目指す方針も強調した。
一方のジャリリ氏は、国内経済の強化で制裁無力化を図ると主張。中国やロシアとの関係を深め、欧米に批判的なライシ師の路線を踏襲する意向だ。ジャリリ氏が当選すれば、欧米との溝は一段と深まりそうだ。
〔写真説明〕イラン改革派のペゼシュキアン元保健相=3日、テヘラン(EPA時事)
〔写真説明〕イラン保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長=3日、テヘラン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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