海外の犯罪が少ないとされる国でも、外国人を狙った各種詐欺が報告されている(イメージ:写真AC)

日本では「振り込め詐欺」や架空請求などの特殊詐欺による被害が数多く報告され、2023年の被害額は約441億円にのぼると報じられています。その多くが高齢者を狙ったものであるのは、広く知られるところでしょう。

一方、海外の一般的に犯罪が少ないとして知られる国においても、現地事情に詳しくない外国人を狙って心理的な隙をついてくる各種詐欺が報告されています。大切な資産を盗られてしまわないためにも、海外でよくある手法を理解し、被害にあう可能性を下げることが重要です。

親日家を装い「日本のお金見せて」

「お金見せて」は、いわゆる寸借詐欺の一つです。道端やスーパーマーケット等で「日本円を見たことがないので見せてほしい」と要求され、これに応じると、目を離した隙に財布から現金が盗まれます。

「日本に行くので日本のお金を見せてほしい」などといって近づいてくるのはよくある詐欺の一つ(イメージ:写真AC)

話しかけてくる内容は犯人により多少異なるようですが、レストランや日本の食品売り場がどこか尋ねるふりをして近づき「今度日本に行くが日本円を見たことがない」などといって、財布を開くよう求めてくることが一般的な手法です。その際、流ちょうな日本語を話したり、自身の財布を見せたりして信頼を得ようとすることもあり、2人組や子連れの場合もあるとされています。

道案内や探し物の手助けを求められると無下に断りにくいかもしれませんが、「その場所は不案内なので」と、他の人に依頼するよう促すことも一手です。また、応対する場合も、スリの可能性を考え、相手から一定の距離を保ち手荷物から目を離さないようにすることが重要です。

そして現金を見せるよう要求された場合には、相手にせず、速やかにその場から立ち去るのが得策です。最近では、インドネシア・バリやタイ・バンコク等で関連事例が確認されていて、管轄の大使館・領事館から注意喚起が発出されています。