海外出張時の安全対策
現地の治安情勢を事前に把握して治安の悪い場所に近づかない、というのが安全対策の基本です。しかし、海外出張における安全対策をより確実にするためには、それ以外にも事前準備や現地での行動が重要になります。海外出張時、渡航者本人はビジネスの商談、調整、報告、記録作成などで頭が一杯かもしれません。しかし、安全対策の観点から、渡航者本人は主に以下の点にも配意することが重要です。
1. 渡航前の注意
現地に適した服装の準備
多くの日本人(男性の場合)は、訪問先にはネクタイ着用のビジネススーツで出向くでしょう。しかし実際の訪問先では、先方がセミフォーマル又はカジュアルな服装で現れて、居心地が悪い思いをした方も多いのではないでしょうか。
ビジネス上の服装のミスマッチは多少は許されるにしても、渡航先で不必要に服装が目立ってしまうと現地事情に精通していない部外者として標的にされ、訪問先までの公共交通機関や車両移動中の休憩場所等で犯罪被害に遭遇する可能性が高くなります。
よって、現地のドレスコードや街中での最適な服装について事前に現地受入先等に確認した上で、最適な服装を準備し着用しましょう。
重要書類の複写
渡航者本人の旅券、旅程、クレジットカード、国際運転免許証等は、海外出張中に紛失又は盗難に遭う可能性が否定できません。これらの重要書類の複写を本人、日本の家族、現地受入先等で保管しておけば、速やかな再発行が可能となります。
また、日本では財布に入っていても海外で使用する予定のない身分関係書類やクレジットカードは、紛失又は盗難の可能性を念頭に置き、渡航先には持参しないことが得策です。
緊急連絡先の記録
海外出張時に連絡が必要な電話番号を、渡航者本人の携帯電話に登録されている方も多いでしょう。あるいは、職場から携帯電話が支給されていれば、自動的に連絡先が登録されているかもしれません。
しかし万一、携帯電話の紛失又は盗難を含めたトラブルに巻き込まれた場合、緊急連絡先(家族、職場、在外公館、同僚等)を別途記録しておくことにより、初動対応が迅速になり、深刻な事態につながる可能性を低減できます。
渡航先の治安情報の入手
弊社も提供させていただいておりますが、前述のように事前に渡航先の治安情報を入手し、現地の最新の治安情勢を把握し、犯罪多発地域等のトラブルスポットを回避できるようにしておくことは、安全対策を実行する上で基本的な準備です。
なお、治安情報については、外務省のホームページから国・地域別の「安全の手引き」や「危険情報」を入手することも可能です。
電子機器の点検
渡航先で利用するパソコンや携帯電話等の電子機器に、機微な情報や個人データが保存されていないかを事前に点検し、必要であればバックアップを取得しておくことが好ましいでしょう。
またもし可能であれば、渡航先にはデータが一切保存されていない、いわゆる「クリーン」な電子機器を職場から新たに借用して持参するとともに、適切なデータ保護アプリケーションを事前にダウンロードしておく方がより安全です。
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