2024/06/29
防災・危機管理ニュース
能登半島地震で被害が甚大だった奥能登地域では公費解体が進んでおらず、観光客を受け入れるにはまだ時間がかかる見通しだ。石川県輪島市では営業再開した宿泊施設もあるが、利用客を復興関係者らに限定。「観光業の再興には数年かかる」との声も上がる。一方、再開に向けて独自の取り組みも始まっている。
輪島市観光協会によると、市内の旅館などは5月までに15施設が営業を再開したが、いずれも復興関係者やボランティアらを優先。「ほとんどの施設で観光客は原則受け入れていない」(担当者)という。
旅館の一つ「ねぶた温泉海游能登の庄」では、地震により建物全体がやや傾き、配管の損傷で自慢の大浴場が使用不能に。現在はボランティアや復興関係者らに限定して営業している。大向洋紀社長(68)は「建物を直すための休館も必要だ。観光客受け入れは3~4年先になるだろう」と嘆く。
半島先端部に位置する珠洲市折戸町の木ノ浦海岸では6月下旬、県内外から集まった漁師やダイバーら約10人が海岸周辺の調査を行った。以前は海辺でさまざまな水遊びが楽しめたが、地震による隆起で地形が変化した。そこで、参加者はカヌーに乗って海流を確認したり、隆起で広くなった海岸線を歩いて確認したりした。
その結果、水深が浅くなってカヌーで遊べない区域があると判明。こうした情報は今後、同海岸での遊び方の再検討に役立てるという。
調査のため、初めて木ノ浦海岸を訪れたという富山県高岡市の荒田恭兵さん(28)は「被災地の復興に貢献したかったので、自分の持つ技術を生かすことができた」と感慨深げだった。
調査を呼び掛けた地元の医薬品製造販売会社社長、岩城慶太郎さん(46)は「いまの被災地に入るには目的が必要だ。こうした『力を貸して』と現地から求める仕掛けをつくることで、集落に来てくれるよう誘客を図っていきたい」と話した。
〔写真説明〕ボランティアや復興支援の業者などに限定して宿泊を受け入れている旅館「ねぶた温泉海游能登の庄」の大向洋紀社長=21日、石川県輪島市
〔写真説明〕地震により隆起した木ノ浦海岸の調査に参加するダイバーら=22日、石川県珠洲市
〔写真説明〕能登半島地震により隆起した木ノ浦海岸調査の参加者=22日、石川県珠洲市
(ニュース提供元:時事通信社)



防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方