災害時における専門家の連携による支援体制構築へ

建築家の中田準一氏を発起人とする災害総合支援機構は、2月28日付で一般社団法人の認可を取得。3月17日に「災害をいかに乗り越えるか―復興を担う人材の育成と制度化に向けて」と題した設立シンポジウムを開催した。代表理事には発起人の中田氏が就任した。

同法人は弁護士、1級建築士、中小企業診断士、会計士をはじめ、社会保険労務士、介護士、薬剤師など国家資格を有する様々な専門家や学識経験者らで構成され、防災・減災・復旧・復興支援における専門家の連携と人材育成などを目指す。具体的には専門家間における有事の際の連携を調整する災害コーディネーター制度を創設し、14年度中にも養成講座を開設する方針だ。

中田代表理事は自身の07年の能登半島地震の建築復興支援経験から、専門家が被災者に個別に対応することに限界を感じたという。被災者に専門家によるワンストップサービスを提供するため、災害に対するマネジメントを適切にコーディネートする人材や組織の重要性を訴えてきた。東日本大震災以後はさらに災害コーディネーターの必要性を確信し、研究会を重ねてきた。

シンポジウムは一般財団法人民間都市開発推進機構都市センター副所長の佐々木晶二氏による「災害基本法等の一部を改正する法律と大規模災害からの復興に関する概要と活用のポイント」と題した基調講演の後、弁護士の中野明安氏、同じく岡本正氏、中小企業診断士の藤田千春氏、リスク対策.com編集長中澤幸介らによる専門家の支援活動事例報告とパネルディスカッションを開催。専門家による災害復興支援の限界と可能性について討議した。