北半球の中高緯度帯の陸地では、昨年夏(6~8月)の平均気温が過去約2000年間で最高だったとみられると、ドイツ・マインツ大や英ケンブリッジ大などの欧州研究チームが14日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 米航空宇宙局(NASA)や日本の気象庁などによると、昨年夏の地球全体の平均気温は、19世紀後半に近代的な気象観測が始まって以来の最高を記録した。
 研究チームは、夏の気温と木の年輪の対応関係を長期間調べたデータに注目。北半球の北緯30度以上の陸地に限れば、年輪の幅からより古い時代の夏の気温を高精度で推定できることを活用した。
 解析の結果、昨年の夏の平均気温は1850~1900年の夏の平均に比べて2.07度、西暦元年から1890年までの夏に比べると2.20度高いことが判明した。
 過去約2000年間で夏の平均気温が最も低かった536年との比較では、3.93度も高かった。同年は大規模な火山噴火の影響で日射が遮られ、地球が寒冷化したことが知られている。 
〔写真説明〕猛暑の中、公園の噴水の中を走る子供たち=2023年8月、フランス東部コルマール(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)