2024/04/28
防災・危機管理ニュース
【カイロ時事】米ニュースサイト「アクシオス」は27日、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を巡る間接交渉で、イスラエルが人質解放後に停戦について協議することを初めて提案したと報じた。ハマス掃討を掲げるイスラエルは、一時的な戦闘休止にこだわってきたが、大幅に譲歩した形だ。
報道によると、イスラエルと仲介国エジプトが提案を練り上げたといい、イスラエルはガザで拘束が続く女性や子供ら人質33人の解放を求めた。一方、避難民全員のガザ北部への帰還などハマス側の要求について、受け入れ可能とみられる条件を示したという。
これまで、恒久的な停戦を求めるハマスと、一時的な戦闘休止を主張するイスラエルとの溝が埋まらず、間接交渉は行き詰まっていた。イスラエル当局者はアクシオスに、「持続可能な平穏の回復」について話し合う意向だと説明。停戦協議を盛り込むことで、「われわれが合意に向けて真剣だと、ハマスが認識することを望む」と語った。
ただ、レバノンのメディアは27日、イスラエルから提案を受け取ったハマスの幹部が、「イスラエルの姿勢に根本的な変化が見られない」と語ったと報じた。同幹部は、イスラエル軍のガザ撤退や恒久的な停戦について「明確な回答」がないと指摘した。
アラブメディアは28日、ハマス代表団が29日にエジプトの首都カイロを訪れ、エジプト側と協議すると報道。ハマスは近く提案に関し、正式に回答するとみられている。
ロイター通信によると、イスラエルのカッツ外相は27日、地元メディアに対し、「人質の解放は最重要項目だ」と強調。ハマスとの間で合意に達すれば、ガザ最南部ラファへの地上侵攻を先送りする考えを示した。また、カービー米大統領補佐官(広報担当)は28日放送のABCテレビの番組で、イスラエルは米側との十分な協議なしに「ラファへ侵攻しないと保証している」と述べた。
〔写真説明〕27日、イスラエル軍の攻撃を受けたパレスチナ自治区ガザ最南部ラファで、がれきの中にたたずむ子供ら(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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