2024/04/11
防災・危機管理ニュース
円相場が11日早朝の外国為替市場で一時1ドル=153円台に下落した。1990年6月以来、約34年ぶりの円安水準。米物価指標の高い伸びを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測が大きく後退。日米金利差が大きい状態が続くとの見方が強まり、円売り・ドル買いが進んだ。午前11時現在は152円81~81銭と、前日午後5時と比べ97銭の円安・ドル高。
鈴木俊一財務相は11日午前、「行き過ぎた動きには、あらゆるオプション(選択肢)を排除することなく、適切に対応していきたい」と財務省内で記者団に語った。同省の神田真人財務官も「足元の動きは急だ」と円安の加速を強くけん制する発言を行った。政府・日銀が為替介入で円安に対抗するかが焦点となる。
市場では「岸田文雄首相が首脳会談のため訪米中で、為替操作国と受け止められる介入は実施しづらい」(外為ブローカー)との見方が出ている。
日本時間10日夜に公表された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.5%上昇し、市場予想(3.4%)を上回った。根強いインフレ圧力を受け、FRBによる6月からの利下げ開始が先送りされるとの見方が台頭。11日午前5時40分すぎには一時153円20銭台まで下落した。
日銀は3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除したが、今後の政策運営については「当面緩和的な金融環境が継続する」(植田和男総裁)と強調している。低金利政策を維持する姿勢も円安の背景にある。
〔写真説明〕円安の加速について記者団の取材に応じる鈴木俊一財務相=11日午前、財務省
〔写真説明〕円安の加速を受け、記者団の取材に応じる神田真人財務官=11日午前、財務省
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 円安
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方