(中外医学社のHPより)

能登半島では地震で寸断されたインフラの復旧に時間を要し、受け入れ体制が整備できず見送っていたボランティアの募集を、石川県は1月15日に開始した。高齢者や妊婦のように支援が必要な避難者を一時的に受け入れる1.5次避難所となっている金沢市内の施設で、施設の清掃などが対象だ。

現段階で被災した自治体での募集はわずかだが、現地の体制が整えば、ボランティアの活躍に期待がかかる。そこで何よりも重要なのは、現地に負担をかけずに自分の体を守りながらの活動だ。

医学書などを出版する中外医学社が能登半島地震の被災地医療に役立つ情報として、『災害ボランティア健康管理マニュアル』を無料で公開している。

ボランティア自身の具体的な健康チェックポイントや持病のある人に向けたアドバイスだけでなく、出発をやめるべきケースも紹介されている。

(『災害ボランティア健康管理マニュアル』の目次より)

同書で執筆と監修を担当した感染症が専門の神戸大学大学院・岩田健太郎教授は「災害ボランティアの最重要課題は、自分の健康や生活を守り、現地で病人やけが人にならないことです。それなくしてミッションは果たせません。マニュアル、ぜひご活用ください」とコメント。

 

中外医学社では同書の他にも『保健・医療従事者が被災者と自分を守るためのポイント集』と『女性の救急外来 ただいま診断中!』から抜粋した「災害時の妊産婦と女性ケア」の章も公開している。

『保健・医療従事者が被災者と自分を守るためのポイント集』を執筆・監修し、同じく感染症を専門とする国立国際医療研究センター・特任国際臨床研究推進部長の和田耕治氏は「被災地へご支援に行かれる方はもちろんですが、自分の地域でもし同じことがあったとしたらという視点での備えてしてもご活用いただけますと幸いです」とコメントを寄せた。

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(1月22日 和田耕治氏のコメントを追加)