第1回 地球温暖化ガス排出量削減の取組み
COP28までの道のりと課題

島崎規子
大学関係の主たる内容は、駒澤大学経済学部、城西大学短期大学部、城西国際大学経営情報学部大学院教授などを歴任し、同大学定年退職。城西国際大学では経営情報学部経営情報学科長、留学生別科長などを務めた。大学以外の主たる内容は、埼玉県都市開発計画地方審議会委員、財務省独立行政法人評価委員会委員、重松製作所監査役などを務めた。
2023/12/17
環境リスクマネジメントに求められる知識
島崎規子
大学関係の主たる内容は、駒澤大学経済学部、城西大学短期大学部、城西国際大学経営情報学部大学院教授などを歴任し、同大学定年退職。城西国際大学では経営情報学部経営情報学科長、留学生別科長などを務めた。大学以外の主たる内容は、埼玉県都市開発計画地方審議会委員、財務省独立行政法人評価委員会委員、重松製作所監査役などを務めた。
2023年11月30日から13日まで「第28回気候変動枠組条約締約国会議( COP28:Conference of the Parties 28)」が、アラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates ) のドバイで開催され、国連気候変動枠組条約に加盟する約200カ国・地域が参加しました。COPで議論された概要と課題について解説いたします。
COP28の中心となる議題は、3つあります。すなわち、①グローバル・ストックテイク(GST:Global Stoctake)の実施、②損失と損害の基金運用、③化石燃料の段階的廃止です。
1つめのグローバル・ストックテイク(GST)の実施は、2015年のパリ協定で規定された「グローバル・ストックテイク(GST)」の第1回目の実施年です。これは、世界全体の削減の進捗状況をレビューし、気候変動対策の進捗を5年ごとに評価するしくみで、各国が削減目標を決める際の基準となるものです。
具体的には、2021年のCOP26と2022年のCOP27で改めて確認されたのが、世界の平均気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑えるというパリ協定の目標達成です。しかし、現状では、各国の温室効果ガス排出量の排出目標を達成しても、1.5℃に抑えるどころか2℃未満に抑えることさえ難しいと想定されています。そのため、各国の温室効果ガス排出量削減の目標をさらに引き上げざるを得ない状況となっています。
2つめの損失と損害の基金運用とは、COP27で決定した「損失と損害の基金」の運用のことです。すなわち、どの国が資金の支援対象になり、どの国が資金を提供するのかといった内容です。
そして3つめの化石燃料の段階的廃止とは、化石燃料の段階的な廃止をどのように実行するかです。これに対しては、支持する国は多いが、反対する国も一部あり、そのためCOP27では、「段階的な削減」と弱めた表現にとどまった経緯があります。
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