2012/12/29
防災・危機管理ニュース
年度内に中間報告
経済産業省は、事業継続マネジメントシステム(BCMS)やエネルギーマネジメントシステムなど、最新のマネジメントシステムの普及にむけた検討を開始した。国内外におけるBCMSの活用事例などを研究するとともに、マネジメントシステムを生かした事業競争力の強化につながる方策について実施計画を作成する。年度内には中間報告をとりまとめる予定だ。
経済産業省では2012年12月に、日本工業標準調査会の管理システム規格専門委員会の下に、事業競争力ワーキンググループを設置した(委員長:東京大学大学院教授:新宅純二郎)。「国内ではマネジメントシステムの導入を、主に国内外の取引等に係る追加コスト」と捉える傾向があり、取引要件をクリアするための一義的・一時的な活動のみに止まっている事例が多いと言われている」(管理システム標準化室)ことから、マネジメントシステムを活用した国内企業の積極的な活動により、組織力や経営力が改善・強化していく方策について、これまでの成功事例に共通する要素などを確認しながら検討する。同時にマネジメンとシステムを有効に活用できる環境整備の方法についても模索していく。
具体的な活動については、今後、ISO9000(品質マネジメントシステム)や14000(環境マネジメントシステム)を含め、幅広く国内外のマネジメントシステムの活用事例を研究し、成功事例を収集し紹介していく。また、他省庁とも連携して、マネジメントシステムを公的調達基準に取り入れることの可能性について検討を行っていく。
ただ、BCMSやエネルギーマネジメントシステムについては、国内でもまだほとんど取り組みが進んでいないことから、同省では「こうした最新のマネジメントシステムについては調達基準に取り入れることは現実的ではない。まずはISO9000や14000など既存のシステムについて検討をしていく」(事務局:認証課)としている。
BCMSについては、2012年5月に国際規格となるISO22301が発行された。国内では英国規格BS25999-2とISO22301を併せて既に50組織程度がBCMSの認証を取得し、運用をしている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
-
防災教育を劇的に変える5つのポイント教え方には法則がある!
緊急時に的確な判断と行動を可能にするため、不可欠なのが教育と研修だ。リスクマネジメントやBCMに関連する基本的な知識やスキル習得のために、一般的な授業形式からグループ討議、シミュレーション訓練など多種多様な方法が導入されている。しかし、本当に効果的な「学び」はどのように組み立てるべきなのか。教育工学を専門とする東北学院大学教授の稲垣忠氏に聞いた。
2025/04/10
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方