2018/07/09
防災・危機管理ニュース

中小企業庁は9日、台風7号とその後の記録的豪雨による災害で被災した中小企業や小規模事業者に対して実施する金融支援を8府県97市町村に拡大したと発表した。自然災害で被災された中小企業・小規模事業者が既存債務と災害復旧の二重債務により事業継続が困難に陥ってしまう状況を回避する。
金融支援策は以下の5つ。
(1)特別相談窓口の設置
日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、全国商店街振興組合連合会、中小企業基盤整備機構、各経済産業局、商工会議所など約200拠点に相談窓口を設置する。
(2)災害復旧貸付けの実施
日本政策金融公庫および商工組合中央金庫が貸付を実施する。金利は中小企業事業で 基準利率1.16%、国民生活事業(生業的な小規模企業)で 基準利率(災害貸付)1.36%(6月13日時点、貸付期間5年の場合)。貸付限定額は、中小企業事業で別枠1億5000万円、国民生活事業 で 各貸付制度の限度額に上乗せ3000万円。
(3)セーフティネット保証4号の適用
信用保証協会が通常の保証限度額と別枠で保証(100%保証)を行う。補償限度額:無担保保証8000万円、普通保証2億円以内(一般保証とは別枠)。原則保証人は不要。
(4)既往債務の返済条件緩和等への柔軟な対応要請
各被災地の日本政策金融公庫、商工組合中央金庫及び信用保証協会に対して、返済猶予等の既往債務の条件変更、貸出手続きの迅速化及び担保徴求の弾力化を要請する。
(5)小規模企業共済災害時貸付の適用
中小企業基盤整備機構が原則として即日で低利で融資を行う災害時貸付を適用する。 貸付利率は6月18日時点で年0.9%。
支援対象となる8府県97市町村の内訳は、岐阜県21市町村、京都府9市町、兵庫県15市町、鳥取県10市町、岡山県17市町村、広島県13市町、愛媛県6市町、高知県6市町村。
■詳細は中小企業庁のサイトから。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/2018/180709saigai.htm
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方