簡単操作で管理もシンプル低コストも導入の決め手

ケンタッキーフライドチキンをはじめ牛角やイタリアンレストランのボナペティート・パパなどのフランチャイズ店舗を展開する株式会社さわやか(本社:東京都中央区)が、安否確認システムの比較検討を始めたのは2013年5月のこと。数多くの安否確認サービスの中からサイボウズスタートアップスのシステムを採用した理由は、操作がわかりやすく、維持・管理もシンプルで安全、さらにコストパフォーマンスに優れている点が魅力だったという。

首都圏から北関東、東海地区にかけてケンタッキーフライドチキン約60店を中心に店舗展開を進める株式会社さわやか。安否確認システムを導入する上で、使用頻度が低く日ごろから使用していなくても、いざという時に確認する側とされる側双方にとって使いやすいサービスを求めていた。 

東日本大震災以降、安否確認システムを導入する企業が増える一方で、課題となっているのは災害時にしか使わないシステムの運用だ。安否確認システムの管理・権限者の一人でもある同社職能チーム担当マネージャーの松尾好恵氏は、「運用面からみると入力や設定事項が少なく簡単な点が非常に魅力的でした」と振りかえる。たとえば他社のシステムでは社員の所属や配属地域など細かい入力が必ず求められ、送信メールも詳細な設定が不可欠で時間がかかった。従業員の異動のたびに、複数の該当箇所に変更が必要なシステムは維持や管理に手間がかかり適していなかった。 

また「他社は人事システムのようで非常に複雑。当社には向いていませんでした。規模もそれほど大きくなく、危機管理の専属担当者もいない状況の中では使いやすいことが最も重要でした」(松尾氏)。 

一方、緊急連絡を受け取る側も、個人のメールアドレスを登録するだけで簡単に利用できる。緊急時は送られてくるメールに書かれているアドレスをクリックするだけ。ログイン名やパスワードの入力を繰り返すことなく利用できる点もメリットの1つだ。 

緊急連絡の返答も状況や出社の可否などを選ぶだけのシンプルなデザインになっている。スマートフォンやタブレットを利用する人はAndroid、iOS対応のアプリをインストールするだけで簡単に安否確認サービスを利用できる。スマートフォン以外の携帯電話やPHSの利用者、幅広い年齢層の社員がいる中、導入も比較的スムーズに行うことができたと言う。導入に際しネックになっていたコストもサイボウズなら月額の最低料金は6800円から。クラウドシステムを使い、国内外の3カ所にサーバーを置いている点、これまでの実績からセキュリティの高さも評価し採用を決めたという。 

導入後、実際に安否確認システムを利用したのは2回。伊豆大島で大規模な土石流を引き起こした台風26号が接近した昨年10月と、山梨県で記録的な大雪にみまわれた今年2月。このときに役に立ったのが特定のグループでのみ閲覧、書き込みができる緊急メッセージだという。 

松尾氏は「追記され蓄積していくコメントが非常に見やすく、従業員の安否とともに店舗の被害状況などの情報を素早く収集、共有できました。おかげですぐに対応策の準備にとりかかれました」と、利用しての実感を話した。