信頼を支える「基盤」となるガバナンス
第7回:「スポーツ団体ガバナンスコード<中央競技団体向け>」について1
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2022/03/07
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
前回の連載では、スポーツ・インテグリティという言葉・概念の出現によって、スポーツを巡る諸問題がこの新たな概念の下で再構成された上で、その対応策・取り組みが体系的・有機的に構築されていくことが可能となったことをお伝えしました。
また、2018年は社会の注目を集めるセンセーショナルな出来事がスポーツ界で多発し、スポーツ・インテグリティを掲げた提言等が立て続けに出されることになったわけですが、いわばその一連の事象が行き着いた先が、同年12月20日にスポーツ庁により公表された「スポーツ・インテグリティの確保に向けたアクションプラン」でした。
そして、そのアクションプランの筆頭に掲げられているのが「1.スポーツ団体における適正なガバナンスの確保」「(1)「スポーツ団体ガバナンスコードの策定、スポーツ審議会における審議」となっています。連載第7回目となる今回は、このうち、スポーツ団体のガバナンスの在り方についての指針を定めている「スポーツ団体ガバナンスコード」に着目してみたいと思います。
なお、スポーツ団体ガバナンスコードは、スポーツ団体の差異に着目して「中央競技団体向け」と「一般スポーツ団体向け」との2種類が策定・公表されていますが、本稿では「スポーツ団体ガバナンスコード<中央競技団体向け>」を取り上げることにします。
中央競技団体は、特定のスポーツに関する国内における統括団体であり、公益財団法人日本陸上連盟や一般社団法人日本身体障害者アーチェリー連盟といった団体が含まれます。また、オリンピックやパラリンピックに参加するために不可欠な統括団体となっているため、本連載をお読みいただいている皆様にも、報道等で馴染みがあるものであるといえるからです。
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンスの他の記事
おすすめ記事
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方