高島・福岡市長(右)から小此木担当相に要望書が手渡された

一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会は6日、「都市の危機管理における路面下空洞対策に関する提言」と題した提言書を小此木八郎・防災担当大臣に提出した。この提言書をまとめた同協議会の戦略会議議長の高島宗一郎・福岡市長が内閣府を訪れ、小此木担当相に手渡した。陥没の原因となる道路の地下空洞について、調査技術の標準化などを提言に盛り込み国に要望した。

地下鉄工事中に起こった2016年11月の福岡市での大規模陥没をきっかけの一つとして、戦略会議に福岡市以外に札幌市、仙台市、横浜市、神戸市、広島市、熊本市も政令指定都市から参加したほか、学識経験者も交えて道路地下の空洞対策の検討を進めてきた。空洞は道路下に埋められた下水道管の劣化などが原因で発生するとみられており、2016年度には約1万2000件もの道路陥没が起こっている。地震ではさらに陥没の危険性が高まり、道路が使えなくなることで救助や輸送への支障が生じることも予想される。

提言書では道路の維持管理を重視し、空洞調査の技術水準を定め、調査発注の基準とすることを呼びかけ。補修についても技術や手順の標準化を盛り込んだ。また先進事例の共有が重要だとして、産官学でのプラットフォームを作り、空洞対策の情報共有も提言している。

協議会では道路地下に埋設されたインフラの老朽化が進み、空洞と陥没の増加が見込まれるとし、警戒が必要だとしている。政府は5日に閣議決定した「国土強靭化アクションプラン2018」にも空洞対策について盛り込んでいる。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介