写真を拡大 津波の恐れがある全市町村で4月1日までに消防団員向けの津波対策マニュアル策定が完了した。図は消防団員の「作業可能時間」の考え方(出典:消防庁資料)

消防庁は4月27日、東日本大震災で地域住民を避難誘導するために消防団員が亡くなったのを受けて海岸を有するなど津波の恐れのある全664市町村に対して作成を推進してきた「津波地震時の消防団員・安全管理マニュアル」について、同1日時点で福島第一原発事故による避難指示区域をもつ福島県の3町を除く661市町村でマニュアル策定を完了したと発表した。

マニュアルでは、各市町村が状況に応じて、これまで曖昧だった津波災害時の消防団員の退避ルールの明確化のほか、司令命令系統の確立、活動可能時間の設定などを定めている。

2017年4月1日当時は未策定の自治体が35市町村(全体の5.3%)あったのに対し、今年4月1日時点では、避難指示区域のある福島県富岡町・大熊町・双葉町の3町以外で策定が完了した。

東日本大震災では消防団員も水門閉鎖や住民の避難誘導に奔走するなかで254人の消防団員が死亡・行方不明となった。消防庁では「マニュアル策定して終わりではなく、各市町村で定期的な防災訓練・避難訓練を行いブラッシュアップしていってほしい」と呼びかけている。

■ニュースリリースはこちら
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h30/04/300427_houdou_1.pdf

(了)

リスク.com:峰田 慎二