2021/10/07
【オピニオン】企業のコロナ対策 次のステップ

積極姿勢は半年前と変わらず
政府は緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置を解除。今後、日常生活や経済活動の制限を段階的に緩和するにあたり、感染リスクが低いことを示す仕組みとしてワクチンの接種証明や検査の陰性証明、いわゆる「ワクチン・検査パッケージ」を活用するとしている。
企業はこうした動きにどう対応すべきか、従業員のワクチン接種歴を把握して社内ルール緩和や業務安全確保の指標として活用すべきか。リスク対策.comは企業のワクチン接種状況の把握について、9月21日時点でリアルタイムアンケートを実施(アンケートはこちら)。危機管理担当者の声から現状と課題を拾った。
会社として従業員の接種歴を把握している(する)かを聞いた結果は[グラフ1]のとおりで「基本的に全員把握している(する)」が31%、「会社としては把握しない」が21%。積極姿勢が消極姿勢を上まわったが、その差は1割程度で、判断は分かれている(それぞれの主な理由は次ページ以降で紹介)。
また職域接種を実施した会社は予診票などから必然的に従業員の接種情報を把握するため、43%は「職域接種者など一部は把握している(する)」と回答。方針を決めかねている「未定」の回答は5%だった。
なお、リスク対策.comは約半年前の2月7日時点でも、会社として従業員のワクチン接種歴を把握する必要があると思うかを聞いている[グラフ2]。このときの回答は「把握する必要がある」が36 %、「把握する必要はない」が31 %、「わからない(未定)」が33%。職域接種もあって従業員の接種歴をある程度把握する会社は増えたが、積極姿勢を持つところは半年前も現在も約3割と、大きく変わっていない。
次ページ以降にリスク・危機管理担当者の意見
【オピニオン】企業のコロナ対策 次のステップの他の記事
- 従業員のワクチン接種歴把握に積極的な企業は3割
- 出口へ向かういまこそコロナ対応の記録を
- 制限緩和は接種・未接種の区別なく行うべき
- 最終的には社会が感染リスクをどこまで容認できるか
おすすめ記事
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
-
防災教育を劇的に変える5つのポイント教え方には法則がある!
緊急時に的確な判断と行動を可能にするため、不可欠なのが教育と研修だ。リスクマネジメントやBCMに関連する基本的な知識やスキル習得のために、一般的な授業形式からグループ討議、シミュレーション訓練など多種多様な方法が導入されている。しかし、本当に効果的な「学び」はどのように組み立てるべきなのか。教育工学を専門とする東北学院大学教授の稲垣忠氏に聞いた。
2025/04/10
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方