2018/04/02
防災・危機管理ニュース
消防庁は、2019年10月1日から小規模飲食店等にも消火器具の設置が義務付けられることになったのをうけて、小規模飲食店の従業員自ら点検・報告ができる「消火器点検アプリ」を1日から無償で提供開始した。
消防法施行令の一部改正により2019年10月1日から小規模飲食店等にも消火器具の設置が義務づけられるとともに、各消火器には半年ごとの点検と、1年ごとの消防署などに報告書を提出することも義務づけられる。原則延床面積1000m2以上の施設では、法定資格者が消火器具の点検・報告を行う義務があるが、1000m2未満でその義務がかない施設では、事業者が自ら点検・報告を行うこともできる。特に今回法改正により義務対象となる小さな飲食店等であれば事業者が自身で点検・報告を行うことが現実的な手段となる。新アプリは小規模店舗のオーナーなど関係者が自ら消火器の点検や点検結果の報告書の作成を支援するためのツールを想定して開発されているのが特長だ。
新アプリは、あらかじめ建物名称、所在地、用途、消防用設備等の基礎情報を入力して初期登録しておく。また点検時は、アプリ上の点検実施画面の案内に従い、消火器の不良な状態を例示した写真をみながら、消防法令が規定する点検基準に適合しているかどうかを選択することで点検作業が完了する。またその点検結果は、消防法令に定められた書式の報告書に自動反映されPDFファイルとして出力できる。さらに初期登録情報に応じて、半年ごとの点検、1年ごとの報告書の時期にあわせて通知する機能もある。
アプリはiOS版とAndroid版を用意。しばらく試行版として提供し、利用者の意見を聞きながら微調整したうえで、法改正前の今年度内には本リリース版として提供する。本リリース版が提供されれば、法改正前でも正式な報告書として提出が認められる。
アプリを使える環境にない事業者向けにパンフレットも同時に発刊。PDF版で自由にダウンロードできるようにする。
■ニュースリリースはこちら
https://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h30/03/300328_houdou_2.pdf
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方