次期6年間の計画を答申した

東京都は29日、今年度第4回東京都医療審議会を開催。2018~23年度までの第6次東京都保健医療計画について答申を行った。災害拠点病院の完全耐震化やBCP(事業継続計画)策定推進、東京DMAT(災害医療派遣チーム)の体制強化などが盛り込まれている。

都内の災害拠点病院は2017年4月1日現在80病院(28日の東京都災害医療協議会でにさらに2病院追加を承認)で耐震化率は92.5%。新計画では目標を100%とした。同じく災害拠点病院のBCP策定率は91.3%。策定ガイドラインは既にあり、今後も策定を働きかける。東京DMATの隊員数は2017年3月1日現在で1097人。今後も1000人体制を維持。NBC(核・生物・化学)災害への対応強化へ研修を強化する。災害拠点病院でもNBCへの研修を実施していく。また30日創設の東京DPAT(災害派遣精神医療チーム)の体制整備構築も盛り込まれている。

災害時拠点病院における複数の通信手段の確保率は2016年度調査で76.3%、EMIS(広域災害救急医療情報システム)などを活用した訓練を実施している救急告示医療機関の割合は2017年3月現在で61.6%にとどまっており、いずれも100%を目指す。災害時の医薬品供給体制強化へ、医薬品卸売業者の車両の一部を緊急通行車両として事前登録するほか、災害時優先携帯電話や業務用無線を用いた通信訓練も定期的に実施する。さらに大規模イベントにおける医療・救護計画のガイドライン見直しも盛り込んだ。

救急では2016年の救急患者搬送数が2011年比8.3%増の69万4749件。高齢者の占める割合は4.2ポイント増の50.1%となっている。高齢者施設やかかりつけ医と、救急医療機関や消防機関との連携を強化し、救急対応の円滑化を図る。また2016年の救急搬送患者の54.9%は軽症であることから、軽傷者割合の低減へ救急相談センター(電話#7119)の利用促進と認知率向上を目指す。2016年の認知率は53.8%となっている。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介