国際化に対応し、エボラ出血熱など未知の感染症に備える

東京都は27日、「東京都感染症予防計画」の改定を発表した。2017年3月に国の感染症予防の基本指針が改められたのを受け、都でも2008年3月に策定された計画改定のため審議を進めていた。国際化が進展する中で、エボラ出血熱など国内未発生の感染症やデング熱など蚊媒介感染症への対策が盛り込まれた。

今回の改定では特に総合的に予防施策を推進すべき感染症対策として(1)新型インフルエンザ等(2)結核(3)HIV/エイズ、性感染症(4)一類感染症等(5)蚊媒介感染症(6)麻しん・風しん―とした。一類感染症はエボラ出血熱や中東呼吸器症候群(MERS)など国内未発生の感染症が東京でも発生するリスクは高まっているとし、感染症指定医療機関や関係機関との連携、訓練や感染防止資器材の整備支援を実施。患者の受け入れや院内感染の防止、医療提供を円滑・安全に行えるよう備える。

新型インフルエンザについては海外からの帰国者などで症状が疑われる場合、保健所や都庁の相談センターでまず対応。医療機関で検査し、陽性なら都内12の感染症指定医療機関に入院となる。流行した場合は病院の外来で対応し、重症者は入院という措置となる。蚊媒介感染症では2014年に東京でもデング熱の国内感染が発生したほか、ジカ熱の症例も発見されている。蚊の発生を抑えるほか、患者の早期把握や対応強化を図る。

災害時への備えを平時から行い、発災時は予防策の周知や防疫措置を迅速に取り組む。2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、増加する外国人への対応では感染防止や万が一の受診方法など必要な情報を多言語で発信。患者発生時は大使館との連携のほか、保健所の疫学調査や保健指導のため外国語対応の支援ツールも活用する。

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http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/03/27/15.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介