小型という特性を生かし、都市部のビルの外構や住宅地などへ展開を検討

従来のプロペラ式風力発電機の弱点を克服した「マグナス風車」(垂直軸型マグナス式風力発電機)を開発するチャレナジーは、第一生命保険と共同で、都市のオープンスペースやビルの外構などに設置可能な小型のマグナス風車(マイクロマグナス風車)を開発する。東京都世田谷区の第一生命グラウンドに同風車を設置し、敷地内の外灯や監視カメラなどの常用電源に加え、災害時の非常用電源として使用する予定。

マグナス風車は、円筒の回転で発生するマグナス力と垂直軸を組み合わせた、プロペラのない次世代型風力発電機。制御できる風速域が広いのが特徴。一般的なプロペラ式風力発電機では風速25メートル/秒を超える場合、破損や故障のリスクがあるため止めるように設計されているが、マグナス式では風速40メートル/秒まで安定的に発電できる。

また、垂直軸を採用することであらゆる風向に対応できるほか、一般的な風力発電機と比較して低回転のため、騒音やバードストライクなどの周辺環境への影響を下げることも期待できる。 

今回開発する「マイクロマグナス風車」は、風車部の高さが2メートル前後で、発電容量は1キロワット未満を想定。風車部の高さが10メートルで、都市部等の人口密集地では設置場所が限定される可能性のある従来のマグナス風車(2021年量産化開始)に比べて小型化され、住宅地のような人口密集地でも設置可能となる。

両社は今後、第一生命グラウンドでの実証実験を踏まえ、都市部のビルの外構や住宅地などへの展開も検討する。第一生命は、ESG投資の一環であるインパクト投資として、チャレナジーに2億円の出資を実施している。

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リスク対策.com 編集部