2018/03/27
防災・危機管理ニュース
内閣府は27日、政府の中央防災会議に「南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応検討ワーキンググループ(WG)」を設置したと発表した。4月12日に第1回会議を開催する。小此木八郎・防災担当大臣が閣議後の記者会見で明らかにした。南海トラフ沿いでの異常な現象があった場合の対応や、対応実行の仕組みについて話し合う。年内にとりまとめを行う予定。
中央防災会議では2017年に、1978年に制定された大規模地震対策特別措置法(大震法)で前提となっている地震の直前予知は現時点で困難と結論づけた。新たな津波対応ガイドラインの策定に向け、静岡県、高知県のほか愛知県を中心とした中部経済界のエリアでモデル地区を設置。これらの地域で津波対応など新たな取り組みを検討・実施している。
内閣府によると高知県では黒潮町や室戸市で住民も交えた、津波時行動のワークショップ、静岡県では静岡市と沼津市で施設ヒアリング、中部経済界では国土交通省中部地方整備局と地元財界で検討会を作り、企業を対象に発災時行動のヒアリングなどが行われているという。
新会議では南海トラフ沿いでの異常な現象があった際の新たな防災対応や、対応実行のための仕組みについて検討する。南海トラフ沿いでの異常は主に(1)南海トラフの東側だけでM(マグニチュード)8クラスの大規模地震が発生(2)大規模地震よりは一回り小さい7クラスの地震が南海トラフ沿いで発生(3)東海地震の判定基準とされるようなプレート境界面でのすべりが発生した場合―を想定している。小此木担当相は「年内には一定のとりまとめを行う」と今後の予定を説明した。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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