パンデミックの中で発行された「グローバルリスク報告書2021年版」のメッセージは?(写真:写真AC)

キーワードは格差・分断・不平等 解決の糸口は結束と協調

新型コロナウイルスパンデミックの中、世界経済フォーラム(WEF)が今年1月に発行したグローバルリスク報告書2021年版は、リスクのキーワードとして格差・分断・不平等、これを軽減・回避するための糸口として国際レベルの結束と協調を挙げました。報告書のポイントとメッセージを、マーシュ ブローカー ジャパン取締役会長の平賀暁氏に解説いただきます。

マーシュ ブローカー ジャパン株式会社
取締役会長 平賀暁

 

1990年、日本ジョンソン・アンド・ヒギンズ社(現在 マーシュ ジャパン株式会社)入社。ドイツ支店、米国本社に勤務後、2000年にリスク・ファイナンスの手法を用いたさまざまなコンサルティングサービスの提供を開始。2002年にマーシュ ブローカー ジャパン株式会社 代表取締役就任、2017年1月より現職。2013年に一般社団法人日本保険仲立人協会理事長就任、2020年6月より公益社団法人 経済同友会幹事。慶應義塾大学経済学部卒業、サンダーバード・スクール・オブ・グローバル・マネジメント卒業(MBA修了)。


2019年末から世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、本編を執筆している2021年5月の時点でもその勢いはおさまらず、いくつもの変異型ウイルスへの枝分かれが収束を遅らせている。果たして我々にとってのゴールはいつ到来するのだろうか。

感染が拡大する中で、世界経済フォーラム(WEF)が毎年発行するグローバルリスク報告書は、今年も1月19日に2021年版を発行した。同報告書はWEFがマーシュ・マクレナンをはじめとしたパートナー機関の協力の下、世界の約700人のリスク専門家や経営者を対象にした最新のグローバルリスク意識調査に基づく内容となっている。