小池知事は長年訴えてきた液体ミルク製造が可能となることについて歓迎した

東京都の小池百合子知事は16日の記者会見で、厚生労働省が乳児用液体ミルクの基準を作り、国内の製造が解禁される見通しとなったことについて「基準が決まったことは大きな前進」と評価した。また今月から本格的に始まった女性向けの防災施策の手応えについても語った。

小池知事はこれまでの災害時の経験などもふまえ、粉ミルクと違い湯やほ乳びんが不要で容器から直接飲むことができる液体ミルクの国内製造・販売のため、国に基準作りを要望してきた。12日に厚労省の検討会が基準を追加した省令改正案を承認したことを歓迎したうえで、「衛生など基準に合うかどうか、例えばどの容器でどの程度変質するかなど時間をかけないとわからないところがある」と指摘。「実際に製品となるのは2年後になるのではないか」と見通しを述べた。

そのうえで「日本は少子化だが、アジア市場も見すえ、メーカーが新たな製品を生み出してほしい」と業界の取り組みに期待。「災害時のみでなく、子育ての負担も減らすこともできる」とした。そして「都としても製品ができたら備蓄などの工夫もできる」とし、災害時の備えと市場創造もかねて都も液体ミルクの備蓄に取り組みたい意向も示した。

女性防災施策については3日の「防災ひな祭り」に約500人、人材育成のための11日の「防災ウーマンセミナー」に約200人が集まった。また1日から配布されている「女性版東京防災」ことガイドブック「東京くらし防災」は最初100万部発行し、25万部の増刷を決めた。一連の施策について「大いに手応えはある」とし、「東京くらし防災」については「常に備えるマインドを持ち、何をすればいいかを知るために活用してほしい」と述べた。

帰宅困難者対策については2月に都の「今後の帰宅困難者に関する検討会議」の報告書が出されている。一時滞在施設確保へ「大規模施設に重点的に要請したい」とし、「報告書をふまえ、担当部署で(課題に)落とし込み、工程表を今後組んでいきたい」と述べた。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介