2018/03/09
ニュープロダクツ

アライドテレシスは7日、サイバーセキュリティに関する高度人材教育事業を開始すると発表した。国防のサイバーセキュリティの専門人材育成を行う米ノリッジ大学などと連携し、世界的にもレベルの高い研修プログラムを提供し、通信インフラをサイバー攻撃から守る高度な人材育成を目指す。
サイバーセキュリティ分野では特定企業の重要情報入手を目的とする標的型攻撃や、PCのシステムにカギをかけて使えなくし修復するための身代金を要求するランサムウェアなど、サイバー攻撃が巧妙複雑化している。今後2020年東京オリンピック・パラリンピック、IoT技術の広がり、マイナンバー制度の本格始動など、サイバーセキュリティへのニーズが高まっており、業界ではコンピューターセキュリティインシデントに対応するための専門チームCSIRTを企業や組織内に設置することが求められている。経済産業省の調査によると、2020年までに約19.3万人の情報セキュリティ人材が不足するとの推計もある。
アライドテレシスでは、米国の情報システム監査団体・ISACAと提携し、CSIRTメンバー候補者向けのオンライン講座「サイバーセキュリティ・ネクサス」を1月18日から提供を開始している。同コースでは1年間59万円(税別)のライセンス有効期限中に全109コースを無制限に受講でき、修了者はISACAの認定資格を取得できる。
今回はさらにノリッジ大学と連携し、同大学の教育コンテンツを使用してサイバーセキュリティのエキスパートを育てる7つの研修コースを追加し、今年4~6月から逐次提供を開始する。
このうち最も専門性が高い「サイバー演習防災訓練」コースは、ノリッジ大学応用研究機関(NAURI)が開発したサイバーセキュリティのシミュレーション演習ツール「DECIDE platform(ディサイド・プラットフォーム)」を使用する。このプログラムは2011年から米英の金融業界全体で取り組むサイバー演習で採用されており、日本でも2016年から金融庁が始めたサイバー演習「Delta Wall(デルタウォール)」でも採用されるなど、世界のサイバーセキュリティ対策の最先端で利用されているもの。
また「IPA情報処理安全確保支援士CSIRTサイバー演習」コースは、北陸先端科学技術大学院大学との連携により、情報セキュリティ分野の国家資格「情報処理安全確保支援士」の資格試験内容で最難関の「午後II」対応した2日間の実習研修を実施する。
また同社では、今年「サイバーセキュリティラボ」を開設し、4~6月にも活動を開始する。ここでは複雑化するサイバー攻撃の解析し、その成果を個別企業向けのネットワーク脆弱性診断や対策構築といったコンサルティングサービス事業に生かすほか、教育研修事業のコンテンツとしても活用するしていくという。
教育研修事業を統括するアライドテレシスアカデミーの小林忍社長は、東京都江東区の東京ベイ有明ワシントンホテルで行われた7日の記者会見で「これまで非常に高額だったサイバーセキュリティ教育研修が、バーチャルラーニング形式のコンテンツが急速に充実して手頃に受講できるようになってきた。今後も世界の最先端のコンテンツを日本に紹介し、日本を代表する技術者を輩出していきたい」としている。
■ニュースリリースはこちら
http://www.at-global.com/news/2018/0307/
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com: 峰田 慎二
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。今回、石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方