2018/03/01
防災・危機管理ニュース

内閣官房は2月28日、「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」の第39回会合を開催。2019年度に予定されている次期国土強靭化基本計画の策定に向け、脆弱性評価や45の「起きてはならない最悪の事態」の見直しについて話し合われた。最悪の事態に至るフローチャートで特に多く挙がる課題を「戦略的政策課題(仮称)」として、今後集中的な議論を行う方針が示された。
「起きてはならない最悪の事態」では、例えば自然災害の発生という初期事象から避難所の衛生環境の悪化などが起き、最悪の事態として「被災地における疫病・感染症等の大規模発生」が起こるといったフローチャートを用いて分析している。今回は豪雪などによる多数の死傷者の発生など5つを新たに設定し、6つの内容を組み替える。
このフローチャートで多くの最悪の事態に影響を与えている事象などを「戦略的政策課題」に設定する。今回の最悪の事態で多く出てくる事象については「災害リスクの高い場所への人口集中」「住宅・建物の被害」が10回で最多。こういった悪影響を広く与えるものの検討に注力する。
また住宅・都市や交通・物流など13の施策分野ごとの脆弱性の総合的な評価を公表。住宅・都市では住宅など建物の耐震化推進や天井など非構造部材の落下防止、帰宅困難者対策などが指摘された。交通・物流では道路閉塞や停電の防止の観点から無電柱化の必要性も盛り込まれた。
全体に共通して重要な施策として、(1)リスクコミュニケーション(2)人材育成(3)官民連携(4)老朽化対策(5)研究開発―が挙げられた。リスクコミュニケーションでは地域住民やコミュニティによる自助や共助の取り組み、住宅・建築物に耐震化や備蓄といった投資や備えの普及・啓発などを想定している。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方