SNSなどで気軽に投稿できる環境が整う反面、利用者の倫理観も問われる(出典:写真AC)

情報処理推進機構(IPA)は2017年12月14日、「2017年度情報セキュリティに対する意識調査」を公表した。過去1年間にパソコン(PC)やスマートフォンなどスマートデバイス(SD)を利用した際に情報セキュリティの欠如により起きた金銭的被害状況を聞いたところ、被害経験率は4.2%、平均被害額は5万3446円となった。金額は前年の同調査と比べて7万2348円減少。2015年調査とほぼ同水準となった。調査は2005年から毎年行っており、今回16回目。全国13歳以上のインターネット利用者を対象に昨年9月21日から10月4日にかけて実施されPC、SDの利用者それぞれ5000人から回答を得た。

被害の事例について、最も多かったのは「知らない間に、クレジットカードが利用されていた」が最も多く21人。「10万円以上」の被害額が最多で7人。回答額を大きさの順に並べた際の中央値は3万5000円、平均値は7万7540円。次いで多かったのは「ネットオークションの被害」で19人。ここでは「1万円未満の被害額」が最多で10人。「10万円以上」も2人おり、中央値は7800円、平均値3万7257円だった。

SD利用者のうち、悪意のある投稿経験のある人の割合は22.6%。また投稿経験者の投稿後の心理としては「気が済んだ、すっきりした」が35.6%と最も多く、前年比4.3ポイント増加した。

また恋人など相手が非常に親しい間柄であれば「自身の性的な姿を撮影した写真や動画」をSNSで共有しても構わないと考える人が、SD利用者で7.4%、PC利用者で5.3%。とくに20代のSD利用者では11.3%と高く、IPAは「ネットを介したデータのやりとりは、リベンジポルノなどのリスクの可能性がある」と注意喚起した。

■ニュースリリースはこちら
https://www.ipa.go.jp/security/fy29/reports/ishiki/index.html

(了)

リスク対策.com:峰田 慎二