メーカーや自治体から意見が出された

消防庁は22日、「消防指令システム等の相互接続に関する研究会」の第2回会合を開催。メーカーごとに異なる消防指令システムと消防救急無線の相互接続の仕様の標準化へ、メーカーや地方自治体の意見が述べられた。

消防本部と消防・救急隊を結ぶ消防救急無線は2016年にデジタル化を完了。119番通報を受ける電話網や防災情報システム、消防OAシステムとも消防救急無線は接続されている。しかし消防指令システムと消防救急無線の相互接続の仕様がメーカーごとに違うことが明らかとなり、制御や通信の方式が既設メーカーしかわからないと今後の通信に支障をきたす可能性があることから、インターフェースの標準化を行う。

両システムの間に中間サーバーを設置し、インターフェース仕様と本仕様の変換を行うことも考えられている。この案に対してメーカー側から既設設備の機能によって、中間サーバーの機能範囲が異なるのではないかと指摘。機器の監視情報などは各社の機器構成が異なり、共通化は難しいと見込みを示した。また、現状のシステム入札は既設メーカー以外が既設システムの更新を行ったり既設機器に合わせた改良を行ったりすることが事実上困難であることも指摘された。

自治体側からは京都市消防局が指令システムと消防デジタル無線を別入札としたが、必要に応じてメーカー職員同士でやりとりも行い、問題なく連携し構築した例を明らかにした。通信会社で構成する一般社団法人・情報通信技術委員会(TTC)でもインターフェースや各社の個別機能の整理・検討を行っており、同研究会に進捗を報告する。消防庁では相互接続の仕様の標準化を2018年度に完了させる計画。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介