1人でも多くの人に防火・防災に対する意識を持ってもらうことが企画の狙い

神戸市消防局は18日、中学受験塾の日能研関西(本社:神戸市)と連携して、算数の「コラボ問題」を制作し、問題が印刷されたポスターを阪急電車全線などで車内広告として掲示すると発表した。ポスターには火災予防の標語だけでなく、大地震などに対しての防災啓発メッセージも記載し、阪神・淡路大震災が発生した1月17日を含む期間で掲示する。

問題は、灘中学校の2010年度の中学入試問題を改題したもの。消防車が放水できる面積を求める内容となっている。上部に2017年度の全国統一防火標語を大きく掲載し、防火についてPR。下部に震災から23年経つという事実と、この機会に改めて非常用持出袋の点検や家族の連絡方法・避難場所などを確認するよう啓発するメッセージを掲載する。問題の答えは左下部分に小さく記載している。

阪急電車神戸線、宝塚線、京都線の全線の車内広告として、阪神・淡路大震災が発生した1月17日を含む2018年1月16~22日までの1週間、乗降ドア横部分に掲示する。神戸市消防局の消防署・出張所前に設置されている掲示板、日能研関西の関西圏を中心とした27校の校舎内に、1月初旬から順次掲示する。

同局は「子供に学んでもらうこと」のプロである学習塾と連携し、子供世代を中心とした多くの人に興味を持ってもらえるコラボ問題を制作しポスター掲示することで、1人でも多くの人に防火・防災に対する意識を持ってもらうことを企画の狙いとしているという。

阪神・淡路大震災から20年以上経ち、市民の4割以上が震災を経験していない状況となっており、「防火・防災への意識低下が懸念されている」(同局)。震災後に生まれ震災を直接知らない、これからの神戸を担うであろう子供世代への広報が重要と考え、新たな広報手段として同企画をスタートした。

コラボは、日能研関西に対して消防局側から提案を行い実現した。23年前の震災時に中学受験を控えた小学6年生として日能研(岡本校)に在籍し、自宅が被災したため避難先からの受験を経験した消防局職員が企画立案した。

■ニュースリリースはこちら
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/12/20171218910101.html

(了)

リスク対策.com:横田 和子