2017/12/22
防災・危機管理ニュース
内閣府を中心とした政府の中央防災会議幹事会が21日開催され、「大規模地震・津波災害応急対策対処方針」と激甚災害指定の早期化へ運用改善を決定した。応対方針は発災後1カ月までのタイムラインを策定したほか、関係機関の役割の再整理、海外からの支援受け入れの手続きなどを定めた。激甚災害指定は最速で災害終息から1週間程度で指定見込みが公表される。
応対方針は大規模地震や津波の発生時に各機関がとるべき行動内容として、2014年3月に中央防災会議主事会議で暫定的にまとめた。今回、幹事会決定に格上げを行うと同時に、東南海・南海地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の3つの地震の応対活動要領を廃止し、応対方針に統合した。
応対方針では初動体制の確立や物資の調達、避難者支援など15項目について発災直後から1カ月後までのタイムラインを策定。例えば初動体制の確立であれば直後に内閣官房が官邸対策室を設置。その後に首相が緊急災害対策本部を作り、政府調査団の派遣を経て発災から12時間後をめどに現地対策本部を置く。
警察庁や消防庁、防衛省のほか被災都道府県・市町村といった防災関係機関の役割を整理。国土交通省のTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)が被災状況や被災自治体のニーズの把握や支援を行うことも盛り込まれた。
海外からの支援受け入れでは、物資による支援申し出があった場合、緊急災害対策本部に外務省が通報。同本部が物資の充足状況や被災自治体のニーズを確認して受け入れ、輸送先を選定し、外務省を通じ申し出国に支援要請を行う。
激甚災害指定の早期化では被害が甚大になると見込まれる災害で、首相が国交省など関係省庁に被災自治体による被害状況調査への積極支援を指示。関係省庁は国交省のTEC-FORCE派遣などで支援を行い、指示後1週間をめどに査定見込み額など調査結果を内閣府に報告する。最速で災害終息後1週間程度で指定見込みの公表を行う。被災自治体の財政面での早期不安解消を図る。
会議の冒頭、山下雄平・内閣府政務官は激甚災害指定について「指定見込みの段階で公表してきたが、もう一歩早期化のため運用を改善する」と述べた。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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