糸魚川大火の教訓から、復興へすべきことをまとめた

国土交通省は19日、「糸魚川大規模火災の経験を踏まえた、今後の復興まちづくり計画の考え方」を公表した。2016年に発生した新潟県糸魚川市の大規模火災から1年を機にとりまとめた。大規模火災からの復興において、迅速性・確実性・柔軟性への留意や、計画策定にあたって確認すべきことなどを記載した。

国交省によると都市再生機構(UR)の協力を得て、糸魚川市や新潟県、経済産業省と意見交換を行いつつ策定したという。国交省はこれらの機関が参加する「糸魚川復興まちづくり推進協議会」の活動を通じ助言も行ってきたほか、URも同機構出身者を糸魚川市に派遣するなど協力してきた経緯がある。

復興計画を策定するために事前に、被災状況と市街地などの状況、方向性、国や都道府県との役割分担、住民意向の確認や調整を行うことがすみやかな策定につながると指摘。方向性については抜本的に街を造りかえるか、修復型とするのか、範囲や整備イメージ、災害対応力向上などを決めるべきとしている。

迅速性・確実性・柔軟性の3点を重視。迅速性は早期の方向性とスケジュール明示や、優先順位をつけ緊急性や優先性の高い事項に注力する。確実性は事業期間や費用面で現実的で実効性の高いものとすること、柔軟性では住民の生活再建とのバランスを考慮することや具体的な事業実施計画と並行し、状況に応じた対応を行えることとする。

また糸魚川市のような中小地方都市では、都市問題の解決につながる総合的な計画づくりや景観や歴史資産としての特徴を抽出し、人口減や高齢化対応や地域資源の活用などにつなげることが重要とした。糸魚川市の場合、雁木(がんぎ)や酒造地区といった景観資源を再生する。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi06_hh_000023.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介