「『水中音響沿岸監視システム』評価キット」構成イメージ

OKIこと沖電気工業は11日、水中に設置した音響センサー装置と陸上に設置したモニタリングシステムでリアルタイムに監視する「水中音響沿岸監視システム」を開発し、評価キットの提供を開始したと発表した。武器の拡散やテロ対策強化に向けた発電所などのプラント施設、空港、港湾、エネルギー基地などインフラ施設をはじめとする沿岸の重要施設への水上・水中からの侵入を、リアルタイムに検知し脅威を監視、水際で対策を講じることが可能となる。

「水中音響沿岸監視システム」運用イメージ

水中にある複数の監視ブイによる音響センサー装置は、不審物や不審者の放射音を検知すると、無線で陸上側のモニター装置へ音響データを送信。モニター装置は、音響センサー装置から受信した音響データを信号処理や情報処理を行うことにより、目標位置を特定し、画面上に表示する。高速艇、半潜水艇、水上スクーター、ダイバーなどの不審物を検知し、検知した音をデータベース化することで不審物が何か特定できるようになる。

今回提供を開始する評価キットは、グループ会社のOKIシーテックが海上計測バージ「SEATECII」(シーテック ツー)で検証を行うことが可能。駿河湾という水中音響の実験に適した自然環境の中にあり、陸上実験室の感覚で各種水中音響の試験や計測、検証ができる。この施設を利用することで、顧客は実環境試験を行う前に評価キットの検証を行うことができる。

提供価格は、トライアルで200万円から(税抜き)。提供範囲は、評価キット使用ライセンス(監視ブイ2~4台、制御用PC、計測ソフト一式)。機器設置・調整、データ取得・まとめなどの付帯作業(SE費用)を含まない。

陸上では、多様な不審者の侵入監視やチェックシステムが導入されつつあり、対策強化が進んでいるが、沿岸部などの水中からの侵入については、光や電波が届きにくく、監視カメラや監視レーダーといった陸上と同じセンシング技術では十分な対応ができないため、対策が遅れている現状があり、開発に至った。

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http://www.oki.com/jp/press/2017/12/z17063.html

(了)

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