2020年も12月に入りました。1年を振り返ってみても、思い起こされるのはCOVID-19に翻弄された思い出ばかりです。ニュースでは、今年の流行語大賞に「3密」が選ばれたと報道されており、筆者も2020年の言葉に最もふさわしい一言と同意します。
しかし、コロナウイルス対策の状況はそんなに浮かれていれる場合ではないようです。日本の主要都市では新たな陽性者数の急増傾向を受け、これ以上の爆発的増加を防ぐ目的で自治体などは飲食店の時短営業を要請したり、外出の制限を設けたり、酒類提供の制限を要請したりと、緊迫した状況にあります。
ところが、日本国内ではこの「要請」に必ず「補償」という問題がつきまとうため、千葉県などでは酒類提供の制限は要請するが、時間短縮営業は要請しないということにしたそうで、なんとも日本らしい対策だなと思います。
一方、東京都では次のようなことが起きているそうです。朝日新聞の記事(朝日新聞社 2020/12/01 12:00)から報道内容の一部を紹介します。
新型コロナウイルスの検査を正当な理由なく拒否した場合、5万円以下の過料を科す条例案が、東京都議会(定数127)で否決される見通しとなった。最大会派の「都民ファーストの会」(50議席)が12月定例会初日の11月30日に条例案を提案したが、他会派の賛同を得られなかった形だ。
都民ファが提案した条例案は、現行の「都新型コロナウイルス感染症対策条例」を修正する内容。感染症法には、感染者に外出しないよう協力を求めることができる規定はあるが、拒んだ場合の罰則規定はない。都民ファの条例案では、検査に応じなかった濃厚接触者らを罰則対象として、検査に実効性を持たせる狙いがあった。
条例案に「罰則」を持たせて有効性をアップしようというねらいのようですが、都議会では賛成を得られなかったようです。つまるところ、そこまでの強制性は要らないということなのでしょう。自由民主主義を標榜する日本としては、あくまで「個人の善意」に委ねるという意見が強いということなのでしょう。
これに対し、小池知事は先月27日の会見で「議員が提案され、今の状況をどう改善していくか議論されることは、非常に議会の活動として健全」と述べられたそうで、まさしくこれこそ議会制民主主義が何よりも重んじる政治の大前提ということなのですね。議員が多数決で決めたことを「正」することは、民主主義の大原則であることは筆者もよく分かっております。
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