契約車への不正アクセス、車両の欠陥などに起因する事故について、迅速な被害者救済を図る(画像出典:写真AC)

三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険、インターリスク総研は10日、2016年度に引き続き実施した「自動運転車および公道実証実験に関する消費者の意識調査」の結果を発表した。そこで寄せられた不安の声を解消するため、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は「不正アクセス・車両の欠陥等による事故の被害者救済費用特約」等を開発し、2018年1月から販売を開始する。第三者による不正アクセスや契約の車のリコールなどの欠陥により人身事故または物損事故が発生した場合で、運転者の被保険者に対する法律上の損害賠償責任がなかったことが確定したときに、被害者に生じた損害について被保険者が負担した費用を補償する。

調査は、10~70代の男女1000人を対象にWebによるアンケートを行った。自動運転技術に対する「期待」は、「交通事故の減少」が72.1%と最も高かった。「不安」は昨年度の結果からやや傾向に変化がみられ、「自動運転システム故障時の暴走・交通事故」が最も高く前年度比17.5ポイント増の67.6%、「サイバー攻撃による暴走・交通事故」(67.4%)、「自動運転システムの不十分な性能による交通事故」(65.2%)の順に続く。また、昨年度と比較し「交通事故発生時の被害者への補償」(60.2%)の回答も増えている。

自動運転システムが発展する中、そのシステムの欠陥やハッキングなどによる契約車への不正アクセスに起因して自動車事故が発生した場合、運転者と被害者といった従来の事故当事者に加え、製造業者やソフトウェア事業者など賠償義務者が多岐にわたるケースが生じる。この場合、責任関係が複雑化し事故原因の究明や各関係者の責任の有無、過失割合の確定などに一定の時間を要する懸念があるという。

新発売の特約は将来の自動運転技術の導入が期待される昨今の社会環境変化を踏まえ、契約車への不正アクセス、車両の欠陥などに起因する事故について、被保険者に損害賠償責任がないと確定した場合、被害者に生じた損害を補償する。

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(了)

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リスク対策.com:横田 和子