災害時の被害認定の基準見直しや効率化を図る(写真は2016年の熊本地震で被害を受けた熊本県益城町の戸建住宅)

内閣府は災害時の住宅の被害認定の見直しを行う。6日、「災害に係る住家の被害認定に関する検討会」の第1回会合を開催。航空写真を活用した調査の効率化や地盤被害の判定の見直しなどに取り組む。今年度末に被害認定基準の運用指針と実施体制の手引きの改定案のとりまとめを行う方針。

り災証明書の発行に必要な住宅の被害認定は、研修を受けた調査員が行う。検討会では調査の開始前には発災前後の航空写真を使い、地域ごとの被害の把握や被災した住宅をある程度特定をすることにより、効率化と迅速化を図る。航空写真をどう入手するか、航空写真から全壊や半壊などどの程度被害判別が可能かなどを検討する。

地盤については現状、地割れや斜面崩壊については基礎への被害や傾きがあった際に損害割合に算定。明らかに建て替えが必要な場合でも、建物自体に損害がない場合は「被害なし」と判定されることもある。地盤の被害で明らかに建て替えが必要と考えられるケースについて検討する。また、液状化の傾斜や滑り込みについては現在の運用指針は地震保険損害認定基準よりも厳しく、保険の基準と整合させる見直しも是非を話し合う。

水害判定では戸建住宅について、外観や浸水深による判定である第1次調査を津波や水流のほか、がれきの衝突といった外力被害があった場合に行う。判定が早いことから本来はより詳細な第2次調査から行うべきケースでも第1次調査を行う事例もあるが、外力被害がなく浸水のみの場合に行っても、第2次調査で1次を上回る判定がされることはまずない。また、外力被害の定義もあいまいな部分があるという。

そこで外力被害がない場合の第1次調査の判定基準を定めることや、外力被害について具体的な定義を行う方針。また、7月の九州北部豪雨で土砂や流木の流入が多かったこともあり、こういったケースでの簡易な判定が行えるか検討する。

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http://www.bousai.go.jp/kaigirep/higainintei/dai1kai/index.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介