消防庁はメーカーの仕様の違いを解消させる

消防庁は2日、「消防指令システム等の相互接続に関する研究会」の第1回会合を開催した。メーカーごとに異なる消防指令システムと消防救急無線の相互接続の仕様の標準化を進める。通信会社で構成する一般社団法人・情報通信技術委員会(TTC)で主に検討を進め、2018年度に完了させる計画。

消防本部と消防・救急隊を結ぶ消防救急無線は2016年にデジタル化を完了。119番通報を受ける電話網や防災情報システム、消防OAシステムとも消防救急無線は接続される。しかし2月に消防救急デジタル無線の整備事業で複数のメーカーによって談合が行われていたとして、公正取引委員会から排除措置命令が出された。

この事態を受け、消防庁が各メーカーにヒアリングを行ったところ、消防指令システムと消防救急無線の相互接続の仕様がメーカーごとに違うことが判明。制御や通信の方式が既設メーカーしかわからないと今後の通信に支障をきたす可能性があることから、インターフェースの標準化を行う。

今後はTTCのサブワーキンググループで検討を進めていく。直接接続のほか、両システムの間に中間サーバーを設置し、インターフェース仕様と本仕様の変換を行うことも考えられるという。年度末となる2018年3月をめどに中間とりまとめを実施。2018年度は相互接続試験などを行い、最終報告書をとりまとめる予定としている。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介