2014/05/25
誌面情報 vol43
新しいシステムで一番強化したのは顧客への対応フローだ。顧客管理システムにひもづいたリストと担当者をあらかじめ一覧にしているため、顧客からの連絡が無くても、担当者からプッシュ型で被害情報などを確認することができるようになった。さらに顧客からの要望は一覧表示できるため、担当者間でも連絡漏れを防ぐことができるようになった(図2)。
顧客からの要望は、東日本大震災時においては想像よりもはるかに多岐にわたるものだったという。例えば同じ工場内の自社施工物件以外の修理を依頼されたり、物資や発電機を要望されることもあった。このような多種多様な要望を一つひとつ解決していくには、やはり現場と対策本部、そして近隣支店との連携が必要になる。その基本データとして活躍するのが同社の災害情報共有システムだ。
顧客との訓練に対する取り組み
清水建設ではこのシステムを使い、今年3月11日に大規模な社内訓練を行った。初動訓練として関係会社まで合わせた全従業員約1万人の安否確認を実施し、続いて、建築事業本部、土木事業本部など各事業本部から対策本部員250人が集まり、450の現場について、新システムを活用して顧客施設や作業所、社有施設などの被災状況報告と、報告結果の情報共有を行い、それに対する指示伝達を発信した。
「今後は、この情報共有システムを活用し、お客様との連携も含めた訓練も実施していきたい」とシステムを開発した同社前コーポレート企画室CSR推進グループ長(現東北支店企画部長)の平谷敏氏は話している。
誌面情報 vol43の他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方