東京では昨年と比較し7月の増加が大きかった

東京消防庁は10月30日、今夏の熱中症による救急搬送状況を公表した。6~9月の都内(稲城市と島しょ地区を除く)の熱中症による救急搬送者数は前年同期比9.7%増の3093人だった。過去5年では2016年に次ぐ少なさで、この5年間のピークである2013年と比較すると37.6%減となっている。

特に搬送者が多い7~8月で見ると、7月は前年同月比50.0%増の1713人だったが、悪天候の多かった8月は13.9%減の1031人。気温28℃以上の日は、今年は2016年から2日のみ増加し75日。1日に100人以上搬送された日は2016年と同じ3日だった。今年の関東甲信越地方の梅雨明けは2016年から10日早い7月19日ごろだった。

年代別の救急搬送者は65歳以上の高齢者が48.6%と圧倒的に多い。65歳以上のうち75歳以上が72.5%を占めている。75歳以上は前年同期比11.3%増。さらに65歳以上は入院が必要な中等症以上が51.0%を占め、30%台以下のほかの年代より症状が重い。

東京消防庁では注意喚起の効果は出ているが、高齢者の問題は大きく、今後も家族など周囲による予防対策が重要としている。

■ニュースリリースはこちら
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201705/heat.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介