2017/10/31
防災・危機管理ニュース

文部科学省が中心となっている政府の地震調査研究推進本部は30日、「新総合基本施策レビューに関する小委員会」の第6回会合を開催。現行の地震調査研究の原則となっている「新総合基本施策」における基盤観測網の維持・管理や人材育成・確保、研究成果の国民向けや国際的な発信について話し合われた。現・総合基本施策下での実績や課題についての報告書のたたき台は年内に提示される予定。
現・総合基本施策である「新総合基本施策」は2009年に策定。2011年の東日本大震災を経て、2012年に改訂された。2012年の改訂では主に海域での津波観測に注力する旨が付加された。次期総合基本施策は2018年度に取りまとめ、2019年度から適用する。このため現・総合基本施策で取り組むべきとされた各分野について、実績の精査や今後の課題発見を行っている。
30日は論点として1.基盤観測等の維持・管理2.人材の育成・確保3.国民への研究成果の普及発信4.国際的な発信力の強化―が挙げられた。
観測については観測網を陸域で維持していく一方で、南海トラフ西部など今後は海域で拡大していく必要がある。また大学所有の地震観測網は予算削減の影響で運用が厳しいところもある。観測網の維持を行いつつ拡大を進めるにはコスト削減につながる技術開発などが課題だとした。
人材育成・確保では地震本部でできる取り組み、地震研究のコミュニティが一体となった学生教育が課題として挙げられた。火山研究での取り組みとしては大学や国立研究開発法人といった教育・研究機関のほか行政や民間企業とも連携した火山研究人材育成コンソーシアムがあり、参考として紹介された。
国民への研究成果の普及発信では、地震調査研究の成果を国民の防災行動に結びつけるため取り組みはどのようなものか、さらには取り組みを検討するためのスキームも必要ではないかという提案がなされた。国際的な発信では日本の研究成果の発信は海外で注目を浴びていると評価する一方で、情報発信にとどまらず、観測網の海外輸出といった成果を直接海外に輸出するなどほかの貢献のあり方も検討すべきとしている。
小委員会では12月にもレビュー報告書のたたき台を示す方針。現・総合基本施策下での実績や課題を次期施策策定に生かしていく。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
- keyword
- 文科省
- 地震調査研究推進本部
- 地震
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方