実験の様子。子どもがつかんでいる笠木が柵面の真上でなく、手前にある方がよじ登りにくい(提供:東京都生活文化局)

東京都は24日、「東京都商品等安全対策協議会」の今年度第2回会合を開催。子どものベランダからの転落防止のため、手すりの安全対策への今後の取組案を提示した。よじ登りやすくなる手がかりや足がかりをなくしたり、エアコンの室外機を手すりから離したりといった対策が盛り込まれた。都では協議会報告書を今年度中にまとめ、消費者への注意喚起や関係する業界団体や国への情報提供と要望といった対応を行う。

子どもが住宅のベランダの手すりを越えたり、手すりの隙間をすり抜けたりしての転落防止を図る。この検討のため、国立研究開発法人・産業技術総合研究所による2歳・4歳・6歳の各7人による実証実験を実施。1.1mの高さの手すりに、足がかり部分や手のかかる部分である笠木の位置や太さといった条件を変え、子どもが上までよじ登れるか検証した。

ベランダ手すりは建築基準法で高さ1.1m以上が規定されている。この日の取組案では手すり柵面に手がかりや足がかりのないベランダ手すりの検討・開発を業界に呼びかける。また、実験の結果、笠木が柵面の真上ではなく手前にある方がよじ登りにくいことから、笠木を柵面の手前にずらした配置とすることも提唱する。注意喚起・説明事項の強化として、乗り越え防止に関するシールの使用や、住宅の入居時や引き渡し時に転落危険性について入居者に説明を行う。

エアコンの室外機も足がかりになることから、対策を提唱する

エアコンの室外機や物干しを足がかりとして手すりを乗り越えることも多い。このため室外機は手すりから60cm以上離すほか、上から吊るして設置する、専用置場を設けたり戸建住宅なら1階に設置するなどベランダ以外に置く方法を記載。物干しは手すりにつけるのではなく、上から吊り下げる方法を奨励する。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介