リスク対策.comは、新型コロナウイルス感染拡大への組織の対応状況を明らかにするため、2020年4月15日から4月23日まで、4回目となる緊急アンケート調査を実施した。今回の調査では、政府から4月7日に発出された緊急事態宣言により、在宅勤務がどの程度進んだかを調べるとともに、これまでの各組織の対応を振り返り、課題を明らかにすることを目的とした。

その結果、9割近い組織がこれまでの対応について何らかの課題を感じており、そのうち3割を超える組織がかなり強く課題を感じていることが明らかになった。

主な課題については、日常的な教育・訓練や在宅勤務の体制整備、感染症を想定したBCPの策定やその中身、日々の対応状況の記録と検証などが上位に挙げられた。一方で、これまでの対応で役立ったことについてはWeb会議システムや情報共有システムなどのハード面の対策が上位を占めた。

アンケートは、リスク対策.comメールマガジン購読者約2万2500人を対象に行い、計480人から回答を得た(有効回答数は438※重複組織からの回答や、回答者名がないものを除いた)。

回答者の組織規模は101〜500人が最も多かったが、中小企業から大企業に至るまで、さまざまな層から回答を得た。業種では製造業が突出して高かった。

特定都道府県では在宅が定着

アンケートではまず、特定警戒都道府県内に本社がある組織と、それ以外の組織について、それぞれ4月7日の緊急事態宣言後に本社の出社割合が何割程度減ったかを聞いた。

その結果、特定警戒都道府県内に本社があると回答した組織では、「7割以上出社が減った」とする回答が34.5%と最も高かった一方で、特定警戒都道府県以外では、「まったく変わらない」との回答が38%で最も高く、緊急事態宣言による出社人数への影響は真逆の傾向となった(ただし、アンケート開始2日後の4月16日に緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたため、特定警戒都道府県以外の地域についても、段階的に、出社人数は減っていると予想される)。

急事態宣言後の出社人数については、特定警戒都道府県内では「2割以下」「3割〜4割」との回答が多かったものの、政府が目指す「出勤者最低7割減」には届いていない。特定警戒都道府県以外については「7割以上が出勤している」との回答が突出して高く、在宅勤務がほとんど進んでいない現状を浮き彫りにした。

また、特定警戒都道府県内に本社がある組織を規模別にみると、100人以下の組織では、7割以上出社している割合が20%を超えた一方で、1000人以上の大組織では2割以下の出社が半数を超えており、組織規模によって在宅勤務の環境整備に差があることをうかがわせる結果となった。