2017/09/11
防災・危機管理ニュース

東京都は8日、都庁で「救急の日」シンポジウムを開催した。9日の救急の日に合わせたイベント。「応急手当で救える命―もっと安全、もっと安心な東京」をテーマに、東京慈恵会医科大学救急医学講座主任教授の武田聡氏が基調講演。パネルディスカッションも行われた。
武田氏は心臓突然死や心肺蘇生法について解説。2015年に一般市民2万4496人が心肺機能停止を見かけたうち、1103人しかAEDを使っていなかったというデータを指摘。「心肺停止時はとにかく早くAEDを使わないといけない」と説明した。また、2011年のさいたま市で駅伝練習をしていた小6女児の死亡事故を教訓に、日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン2015で呼吸がないかわからない場合も胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAED使用に進むよう明記されたことも紹介。早い適切な行動の重要性を呼びかけた。
シンポジウムでは東京消防庁救急部救急指導課課長補佐の小泉明氏が救急車の現場到着時間が2017年は2009年比で1分12秒遅い7分30秒に達していることを紹介。そばにいる人の応急手当が重要だと説明した。2016年の「消防に関する世論調査」では、できる応急手当について「声をかけて励ます」は79.0%だが「AEDの使用」は31.7%、「胸骨圧迫」27.3%、「人工呼吸」20.3%にとどまっている。一方で「アドバイスを受ければ応急手当ができるか」という質問で「できる」は25.4%だが、「ていねいに説明してくれれば実施するつもりであり」が58.3%の回答だった。小泉氏は応急手当のアドバイスのほか、東京消防庁が一定数の救命講習受講者数がいる事業所など団体に優良証を交付する「応急手当奨励制度」の紹介も行った。
またシンポジウムに先立ち、救急医療関係功労者等知事感謝状贈呈式が行われた。受賞者は下記の通り。
【個人の部】
高山 守正 氏(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 副院長)
【医療機関の部】
医療法人社団日心会 総合病院一心病院
医療法人社団青葉会 一橋病院
医療法人社団けいせい会 東京北部病院
【団体の部】
一般社団法人荒川区医師会
一般社団法人東京都武蔵村山市歯科医師会
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方